法定後見の申立権者について
法定後見人について
法定後見人の申立ては誰がするのか
法定後見人の申立ては、原則としては本人や4親等内の親族に申立権があります。
申立権があるということを裏を返すと、申立権がない人はいくら本人の身の回りの世話等をしていても申立てをすることができません。
ちなみに法律上親族とは、
6親等内の血族、および3親等内の姻族
と定められています。
血族とは、文字通り血のつながりがある人を言いますが、姻族とは
血族の配偶者、または自己の配偶者の血族
をさします。
そこで、成年後見の申立権がある親族をまとめると大方次の図のようになります。(緑色に塗っている人が申立権があります。)いとこの配偶者は4親等ですが、姻族であるため、そもそも親族ではないため申立権がありません。また同様に本人の子の配偶者の血族も本人の親族ではないため申立権がありません。
本人が申立てすることは可能か?
本人が申立てすることは法律上可能です。ただし、重度の認知症などで手続きの内容を全く理解できないような状態の場合は、本人が申立てすることができません。
申立人がいない場合は、どうなるのか?
本人自身が申立てできる状態ではなく、4親等以内の親族が申立てしてくれない場合でも、市長が代わりに申立てをしてくれる「市長申立て」があります。
市長申立て以外に、自分自身で認知症等になったときに成年後見開始の申立てがされるよう対策できないか?
近くに親族いないような方は、将来、認知症などになり判断能力が低下したときに、成年後見開始の申立てがスムーズにされない可能性があります。そのような場合に備え、成年後見制度を利用できるようお元気なうちに対策を打っておくことが大切です。
対策① 任意後見人を選んでおく。
あらかじめ任意後見人を選んでおくこと(任意後見契約を締結すること)で、認知症などになったときには、申立権のことを考えなくても任意後見人を選任することができ、より迅速に対応が可能です。
また、任意後見人(任意後見受任者)は法定後見の開始の申立権者でもありますから、任意後見契約を締結していても法定後見の必要があれば法定後見人を選任することもあります。
対策② 近所の人や地域包括支援センターの職員等に自分の存在を知ってもらう。
自分が認知症になったときに、意外と自分自身では気がつけないものです。普段から近所の人や地域包括支援センターの職員等と交流をもっておき、自分の変化に気づいてもらうことが大切です。